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アスベスト調査費用について

アスベスト(石綿)は、繊維状にできた細かい天然にできた鉱物であり、容易に私たちの肺へ侵入し、肺線維症(じん肺)、悪性中皮腫の原因になるといわれています。肺がんを起こす可能性があることでも広く知られており、社会的に問題となっています。主な病気として、石綿肺や肺がん、悪性中皮腫があります。石綿肺は、肺が線維化してしまう肺線維症(じん肺)という病気の一つであり、アスベストを含む建築物の解体作業や補修作業などによってアスベスト粉塵を10年以上吸入した労働者に多く見られます。肺がんは、肺細胞に取り込まれた石綿繊維の主に物理的刺激により引きおこると言われています。喫煙者に多く見られる病気です。悪性中脾腫(中皮細胞から発生する悪性の腫瘍)については、とても細かい繊維状でできた天然鉱物である石綿は体内に取り込まれやすく、体内にとどまることで、細胞を刺激し続け、やがて中皮腫になるといわれています。そのため、解体工事など石綿を扱う場所で働いていた人や、その家族、アスベスト関連の工場周辺に住んでいた人にも見られる病気です。このように、私たちの健康被害への影響が大きいことから、労働安全衛生法や建築基準法、大気汚染防止法など、様々な方面にてアスベストに関する法令が定められています。過去にアスベストを使用した建築物については、解体やリフォームなどを行う際は、事前調査が義務付けられています。石綿(アスベスト)および石綿製品については、2006年9月1日から製造、輸入、譲渡、提供、使用が禁止されています。それ以前の建築物についてはアスベストが使用されている可能性があるため、解体やリフォーム、補修などを行う際は調査対象となります。

■アスベスト調査費用について

アスベストの成分分析の調査費用は、3〜5万円が相場と言われています。アスベストの検査については、解体工事を行う業者ではなく、アスベスト調査専門の機関となります。そのため、解体工事会社がアスベスト調査の専門機関に発注し、解体の見積りに計上されるという形となります。分析方法には2種類あり、定性分析と定量分析があります。定性分析とは、アスベストが含まれているか否か(0.1%を超えて含有しているか分析)を調べる分析です。定量分析は、アスベスト含有が確認された試料で含有率を調査する分析方法です。分析機関や検査項目によっても費用は異なりますが、それぞれ約3~5万円を想定しておくと良いです。アスベストの発じん性(建築物の解体や改修などにより飛散する度合い)によって調査費用が異なってきます。度合(レベル)は3段階に分類されます。レベル1は、発じん性が著しく高く、成分分析を必要とします。レベル2は、発じん性が高いもので、成分分析を必要とします。レベル3は、発じん性が比較的低く、事前調査を行わずにアスベスト含有建材として処分をしても良いとしています。レベル3の場合は、解体作業における労働者への健康被害の危険性が比較的低いので、解体業者が手作業で解体を行う場合もあります。また、アスベスト調査や除去には補助金制度のある地方公共団体もありますので、該当する地方公共団体の補助金制度を調べた上で調査依頼をすることをおすすめします。

■アスベスト調査内容

①書面調査

確認申請書や設計図書などを用い、調査対象の範囲を確認し把握します。

②サンプリング

書面調査で確認した箇所のサンプリング、目視調査を行います。

③分析

現場にて採取したサンプルの分析を行います。分析には、アスベストの有無のみを調べる定性分析と、アスベストの含有量を調べる定量分析があります。

④報告書

上記の調査結果を記載した書面を作成します。

アスベスト含有の調査にあたって、必ずしも資格保有者が行うことは義務付けられていませんが、専門者がいる業者に依頼した方が細かい見落としのリスクが減ります。資格には主に「石綿作業責任者」「アスベスト診断士」「建築物石綿含有建材調査者」といったものがあります。建築物の書面調査では確認することができないこと(リフォームにて書面に記載のない改修箇所や建材など)が大いにあるため、実績を持つ専門家に依頼が安心です。

■アスベストに係る法規制

アスベストは、石綿(いしわた、せきめん)とも呼ばれる天然に存在する繊維状鉱物のことをいいます。アスベストは6種類が定義されており、クリソタイル(白石綿、温石綿)やアモサイト(茶石綿)、クロシドライト(青石綿)、アンソフィライト(直閃石)、トレモライト(透角閃石)、アクチノライト(緑閃石)があります。耐熱や耐摩擦、紡績性などに優れており、比較的安価であるため、建築や工業製品に幅広く使用されてきました。しかし、アスベストは危険性の高い細かい繊維状の物質であり、呼吸器官を通って肺へと侵入し体内に蓄積すると呼吸困難などの障害を引き起こすリスクがあることが判明されました。最悪死に至るケースもあり、現在では製造や使用等が禁止されています。

現在では、住宅や環境など私たちの生活にて安心・安全を守るために、複数の規制が定められています。

・建築基準法:石綿による人体への健康被害の防止を目的とし、建築物における石綿の使用を規制するものです。石綿の飛散のおそれがある建築材料の使用を規制しています。

【規制について】国土交通省引用

    ①増改築時における除去等を義務づけ

    ②石綿の飛散のおそれのある場合に勧告・命令等を実施

    ③報告聴取・立入検査を実施

    ④定期報告制度による閲覧の実施

・労働安全衛生法、石綿障害予防規則:1970年から1990年にかけて石綿は大量に輸入され、建築物に使用されてきました。その建築物の老化による解体工事の増加によって解体工事に携わる労働者の石綿による健康被害の発生が多く報告されています。そのため、解体工事に携わる労働者の健康被害防止を目的として定められた規則です。厚生労働省では、「石綿飛散漏洩防止対策徹底マニュアル」や、「石綿則の事前調査に基づくアスベスト分析マニュアル」を公表することで、アスベストの調査や分析を行う方々に石綿則に基づいた詳しい情報を発信しています。

・廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃棄物処理法):私たちの生活環境の保全と公衆衛生の向上を目的とし、廃棄物の排出の抑制と適切な処理(別や保管、収集、運搬、処分など)を定めた法律です。

【アスベスト含む産業廃棄物の種類】

  • 特別管理産業廃棄物(飛散性アスベスト廃棄物)
  • 廃石綿等以外の石綿含有産業廃棄物(非飛散性アスベスト廃棄物)
  • 産業廃棄物

・大気汚染防止法:建築物などの解体工事におけるアスベストの排出の抑制を目的とした法律です。特定の建築材料が使用されている建築物の解体や補修などを行う際に、吹付け石綿、石綿含有断熱材・保温材・耐火被覆材に係る作業が発生する場合は、事前に都道府県などに届出を行わなければなりません。

・建設リサイクル法:建築物の解体や改修工事などにおいて発生する有害物質などを適切に処理することを目的とした法律です。建築物の解体工事では、事前調査や事前措置などが義務付けられています。

■東京都内アスベスト補助制度(地区、補助制度の名称、補助要件)

民間建築物に対するアスベスト調査などに関して、国土交通省は住宅や建築物アスベスト改修事業に対する補助制度を設けています。各地方公共団体によって助成内容や費用や対象者などが異なるため、各地方公共団体のホームページや問い合わせにて確認してください。アスベスト含有調査で補助対象としているのは、主に吹付けアスベスト、アスベスト含有吹付けロックウールとなります。

・千代田区:アスベスト含有調査、調査員派遣(建物所有者に限り民間の建築物は補助対象)

・港区:港区アスベスト対策費助成(アスベストを含有する吹付け材または保温材を使用、使用した疑いのある建築物を対象とし、区内に対象建築物を所有する個人または中小企業者、もしくは区内にある共同住宅の管理組合の代表者が補助対象)

・新宿区:新宿区吹付けアスベスト含有調査費助成金、新宿区吹付けアスベスト調査員派遣

(区内にある建築基準法の違反がない建築物を対象とし、吹付けアスベストが使用されているおそれのある建築物を所有する個人、中小企業者、または分譲マンション棟の管理組合の代表者が補助対象)

・台東区:民間建築物アスベスト対策費助成(今後継続して使用する建築物であって、屋内外にアスベスト含有の可能性のある吹付け材が露出した状態で使用されている住宅、兼用住宅、共同住宅などが補助対象)

・墨田区:民間建築物アスベスト確認調査助成金(区内に建築物を所有する個人、中小企業法に定める中小企業、学校法人、社会福祉法人、医療法人等(国、地方公共団体その他これに準じる団体を除く)、または分譲共同住宅の管理組合に対し、吹付け石綿またはアスベスト含有のおそれがある吹付けロックウールに関する分析調査費用を助成対象)

・江東区:江東区アスベスト分析調査助成(区内に建築物を有する中小企業、学校法人、社会福祉法人、医療法人等(国、地方公共団体その他これに準じる団体を除く)、区内に建築物を有する個人、区内にある分譲共同住宅の管理組合に対し、アスベストを含有している可能性のある吹付け材又は保温材等が使用されている区内の建築物について、専門調査機関によるアスベスト分析調査に要する費用(建築物1棟につき1回限り)を補助対象)

・品川区①:アスベスト分析調査助成(建築物等に使用されているアスベストの有無が目視、設計図書等による調査によっても明らかにならなかった場合に専門機関が実施する分析調査費)

・品川区②:石綿等使用状況調査 ※無料(区の委託業者が目視による石綿等使用状況調査を 実施し、石綿の正しい取り扱いについてアドバイスする。 ※ 壁の裏など見えない部分は対象外、どのような建物であっても延床面積300平方メートルまでを調査対象範囲とする。)

・目黒区:目黒区アスベスト調査助成(建築物に吹付け材等のアスベスト(石綿)と疑われる建材が使用されており、その建材のアスベストの含有等について専門の検査機関に分析調査を依頼する費用の助成)

・大田区:大田区吹付けアスベスト分析調査費助成(区内にある建築物に使用されている吹付け建材について、そ のアスベスト含有分析調査に要した費用を助成)

・世田谷区:令和3年度世田谷区民間建築物アスベスト含有調査助成事業(平成18年9月30日以前に建築された民間建築物の吹付け材であり、区内にある助成対象建築物の所有者(個人・法人)もしくは、区内にある助成対象建築物を管理する管理組合を助成対象)

・板橋区:板橋区アスベスト分析調査費補助金交付申請制度(アスベスト分析調査を行う建築物等の所在が区内であり、建築物等を所有する個人、事業主、分譲集合住宅の管理組合の代表者、その他区長が必要と認める者が補助対象)

・練馬区:練馬区建築物等アスベスト調査費用助成(吹付け材の成分分析調査、また空気環境測定調査が助成対象)

・足立区:足立区吹付けアスベスト対策費助成(平成18年9月30日までに建築された建築物または工作物が助成対象)

・葛飾区:区内の住宅・兼用住宅であり、民間建築物アスベスト調査助成(屋内外にアスベストを含有する可能性のある吹付け材が使用されたものが助成対象。(外壁仕上げ材は対象外。)

・江戸川区:江戸川区アスベスト調査費助成金(吹付け材・断熱材・保温材・耐火被覆材(レベル1,2)を有する建築物に係るアスベスト含有調査を助成対象)

■日本環境エンジニアリングのアスベスト調査費用

日本環境エンジニアリングのアスベスト調査費用については、簡易的な調査は1~2万円、規格にのっとった調査は3~4万円で行っております。また、過去の実績とノウハウにて公的機関へ提出可能な報告書の作成を行っております。アスベスト調査完了後は、調査報告書を法的機関へ提出する必要があります。書類調査にて分かりえない見落としがちなアスベストが使用されている建材や箇所を、過去の経験とノウハウから推測し細かく調査を行います。また、事前にヒアリングの上で、費用のご提示と詳細のご説明を行っておりますので、安心してお問合せください。